



――8月23日に行われたワンマンライヴ『Beautiful Tripper』の感想から教えてください。
MAKI:思い描いてたことも、表现したかったことも全部ちゃんとできたワンマンでしたね。唯一想定外だったことは、刹亚がライヴ中にケガをして5针缝うという……。
刹亚:気が付いたらスネアのヘッドが血だらけになっていて、「なんだこれ?」と思ったら手が切れてました。たぶんシンバルに当たって切れたと思うんですけど、全く覚えてないんですよね……。ファンの子がやたらと手元を见てくるのでおかしいと思ってはいたんですけど……(笑)。ちょっとした出血というレベルじゃなくて、流血という感じでもうビショビショでした。
MAKI:しかもその血だらけの状态のまま、アンコールのパートチェンジで刹亚が阳佑のベースを弾くという……。
阳佑:俺のベース血まみれみたいな……。他人の血でベースが汚れるのはあんまり気持ち良いものではないですね……(笑)。
刹亚:悪いことしたな……。
MAKI:ステージ上で露骨にベースの心配してたもんね。
阳佑:もう一気に呪われましたね(笑)。终わってすぐにウェットティッシュで拭いて、メンテしてって感じで、本当にビックリしたし大変でした。
MAKI:そんなこともあって、舞台裏は结构バタバタしてました。
阳佑:途中で衣装の早着替えもあったりしたから、本当に目まぐるしかったけどファンからの反响もすごくて嬉しかったです。
刹亚:ライヴ自体は、今までのワンマンの中でも一番落ち着いてあんまり気负いせずに出来たんですけど、途中の早着替えですごく精神を乱されたというか……ちょっとあたふたしてしまいました(笑)。衣装によって全员キャラクターが変わるので、そこのスイッチの入れ方も难しかったですね。
――今作の「EVIL BEAUTY」は、そのワンマンで初披露したんですか?
MAKI:MVを流しただけで演奏はしませんでした。
――前回のお话で「DIRTY EVIL」と対になる作品を作ったということでしたが、改めてコンセプトを闻かせてください。
MAKI:「DIRTY EVIL」はすごく男らしい感じの曲だったので、「EVIL BEAUTY」は女性目线というか、女性の见地で话が进んでいく内容で、结局“EVIL”なのは男だったりするんですけど、恋爱の中でも骗し、骗され合いみたいなものがあったり、腹の隠し合いみたいな、そういう世界を描けたらなというのが今回の「EVIL BEAUTY」です。
――歌词に“大嫌い”というワードが出てきたり、すごくストレートな歌词ですね。
MAKI:そうなんです。仆も嫌いな人はすごく嫌いなので、嫌いな人にはちゃんと言った方がいいかなと。でも今回、“大嫌い”と言っているのは、自分に言い闻かせる“大嫌い”なので、本当の嫌いとはちょっと违うんです。例えばこっちが惚れてる恋爱だと、相手の方が优位に立ってるような気がして、そういう中でつい“嫌い”という言叶が出てしまうというか……。
――好きの裏返しのような?
MAKI:完全に好きの裏返しですね(笑)。“大嫌い”もひとつの言叶の武器として曲も进めていきました。
沁:歌い出しがいきなり“大嫌い”だから、最初すごく悩んだんです。でも逆に今までそういうのはあんまりした事がなかったからいいんじゃないかなって。
――すごくインパクトがありますよね。
MAKI:今回の2曲とも、「こうした方がカッコいいな」とか、「こうした方がいい」と言うよりも、思いついたものを、「そのままやっちゃおう」という意识が强かったですね。今までは考えて考えて、うーん……みたいな事を缲り返してたんですけど、それを一度全部取っ払ったような感じでした。
――たしかに今までのALSDEADには无かったイメージですよね。ここまで赤裸々にというか恋心を歌うことって。
MAKI:付き合っていても绝対に优劣があるじゃないですか。やっぱり劣势侧のほうが楽しいというか……(笑)。
――追いかけたいタイプ?
MAKI:时と场合にもよりますが、基本は追いかけたいタイプですね。でもそういう时って大体、追いかけているうちに追い抜いてしまって、こっちが优位になってると思った瞬间、そこでもう终わりを迎えるんですよ……。だから仆の场合はきっと追い抜いちゃダメなんです。
阳佑:それ分かるわ(笑)。仆も完全に同じタイプですね。片思いの时が一番楽しい。
MAKI:不安でいっぱいだけどね(笑)。沁:なんか恋爱トークになってる(笑)。
――せっかくこういう歌词だから讯いてみようと思って……(笑)。
MAKI:刹亚はきっと、圧倒的优位に立っておきたいタイプなんですよ。
刹亚:「追いかけられたい」とかあんまり考えたこと无いですけど、追いかけるタイプではないかな。でも本当は……言えない(笑)。でも追いかけられてる方が合ってるような気はします。
沁:やっぱり追いかけられたいですよね。バンドを始めた理由も最初はそういう気持ちがあってのことだと思うし。でも去るものは追わない(笑)。
MAKI:今回の「EVIL BEAUTY」は、ALSDEADで言うと仆と阳佑侧の歌词です。
――「EVIL BEAUTY」のタイトルの意味は?
MAKI:直訳したら“美しい邪悪”なんですけど、ある映画の中で、女王が城を守るために策を练って、その穷地を脱した时にも「EVIL BEAUTY」と表现されていて、その时の“EVIL”は贤いとかそういう意味で使われていたので、単なる邪悪というよりは、生き残るためにする施策というか、そういう美しい邪悪な部分を形にできないかというところから始まって、実は「DIRTY EVIL」よりも「EVIL BEAUTY」のイメージが先にあったんです。
沁:「DIRTY EVIL」ができる前に、「EVIL BEAUTY」のワンコーラスぐらいは形になっていたんですけど、今作のテーマを考えた时に、色気や妖しさを表现しようということになったので、シンセの使い方を、曲に吸い込まれていくような雰囲気で演出して、サビはバンドサウンドだけという形にしました。今までに无いパターンで新しいアプローチになっています。
――ギターソロのアプローチも违いますね。
沁:ほとんど何も考えずに弾いたというか、今までは结构作り込んだりしてたんですけど、今回は浮かんだ瞬间のフレーズを形にしていきました。シンセの延长线上みたいな感じです。
――リズム队の二人はいかがですか?
阳佑:ベースは「EVIL BEAUTY」の音のイメージに近づける为に指で弾きました。
刹亚:本当は“DIRTY”と“BEAUTY”でスタイルを分けたかったんですけど、仆のスタイルには“BEAUTY”というものがなくて、ドラムで“BEAUTY”というとYOSHIKIさんしか思いつかなくて、“BEAUTY”のイメージが全くつかめないというか、イメージしきれなかったので、MVにはちょっと不満があるんです。今でもまだ思いつかないんですけど、“美しく叩くこと”にはまたチャレンジしてみたいですね。でもすごくいい経験にはなりました。
沁:めっちゃ反省してるやん(笑)。
刹亚:自分で悔しいと思ってしまったので……次への课题が见えました。