ワクワク」集大成 名相棒を「華々しく」/朝夏まなと
2017年3月2日12時18分 紙面から

朝夏・実咲コンビの集大成作は、ミュージカル・コメディー。朝夏は「幕開きからディズニーランドみたいな、すごくワクワクする感じ」と言い、連日、息の合った芝居を見せる。
「ダブルブッキング」をキーワードにした「王妃の館」は、水谷豊主演で映画化もされた作品。経営難に陥ったパリの高級ホテルを舞台に、実咲が旅行代理店の女社長を演じ、朝夏は騒動を拡大させるツアー客の小説家にふんしている。
「実咲も今までになかったような個性、パンチのある役だと思う。彼女には『自分が卒業するんだから、自分のために舞台で花を咲かせて』と言っている」
自らは、台本を頭の中で漫画の世界観に置き換えて役作りをしてきたという。
「イメージとして、わいてきたのは『のだめカンタービレ』でした。ツンデレで千秋先輩のような感じ」という。飛行機恐怖症のエリート音大生・千秋先輩を引き合いに「人間的に弱みもありつつ、かつ、品もあるという」と説明。
「コメディーは笑わせるのではなくて、テンポ感が大事。宝塚的に、どこまで変人感覚を出せるか、バランスに悩みました。(役柄は)追い込まれて、周りが見えなくなる性格。すごく、そこが強烈なので」
トップとして宙組を率いて丸2年が過ぎた。「いい意味でこの立場に慣れ、視野も広がったと思います」と振り返る。足元を見つめ直す1年にしたいという。今作のショーでは、黒えんびで男役を従え大階段で踊り、実咲との最後のデュエットでも魅了している。
「トップになる前から組んでいるので、彼女がどんどん成長しているのを感じ、私がやりやすいように考えてくれて、助けられたという思いもあります」
ともに花組出身。古巣時代から知る仲だけに「華々しく見送りたい」と、心に決めている。朝夏の2017年はまず“名相棒”を送り出し、始動する。【村上久美子】