Epilogue
地上がら立ち上る煙によって、青空は黒く塗り潰されていた。
從地上升起的煙霧,將蒼穹塗滿黑色。
雲は侵食されて泳ぐこともできず、風は異臭を乗せて人々に変事を報せる。
被侵蝕的雲無法繼續徜徉,乘載刺鼻氣味的風,顯示這裡到處都有人橫死的跡象。
その元凶たる大地には夥しい数の死体が転がっていた。
正因為大地上有數不清的屍體在滾動。
怨念、絶望、哀哭、死体が語る表情は様々なものだ。中でも最たるものは恐怖であろう。涙を流し故郷の方角に手を伸ばす屍の数は想像を絶するほどに多い。
怨恨,絕望,還有哀哭。屍體呈現了各式各樣的表情。在這之中,最多的是恐懼的情感。流著淚,向故鄉的方向伸手的屍體比想像中還要多。
餌を求めた鴉が地上に舞い降りる。啄みながら次の餌に飛び移った。
尋找餌食的烏鴉往地面降落,一邊啄食,一邊移動至下一個目標。
そんな死体の山が築かれた前で、仮面の王が一人、地面に座っている。
在這樣一座由屍體堆成的山丘面前,一位戴著面具的王者坐在地上。
「終わったようだね」
「看來是結束了。」
大量の砂塵が後ろ反対方向へ流れていくのを認める。
大量的塵埃,在背對的方向飄動。
シュタイセン共和国が参戦したことで、流れは完全にグランツ側に戻った。
因為休太峴共和國參戰,戰爭的流向回到了葛蘭茲這邊。
六ツ国は司令官が負傷したことで撤退の道を選んだようだ。
聯邦六國由於司令官受傷,只能選擇撤退。
「あとは彼女が上手くやれば問題ない」
「之後只要她能熟練的話,就沒問題了。」
比呂が視線を巡らせれば、近くでルカがフギンを抱き上げて周囲を警戒している。
比呂轉動視線,附近的露卡手抱著馥金,持續警戒周圍。
周りには黒の甲冑で統一された精銳部隊〝鴉軍〞の姿もあった。
四周還有身上統一穿著黑色盔甲的精銳部隊,鴉軍的身影。
最後に比呂は自身の足下を見やる。
最後,比呂視線轉向他的腳下。
──三本の精霊剣五帝が地面に突き刺さっていた。
──三把精靈劍五帝正插在地上。
凄まじい覇気が個々から感じられる。一本、一本から強烈な意志すら感じられた。
每個都能感受到驚人的霸氣。每一把,每一把武器都能感受到強烈的意志。
「……スカアハ、誓約は果たされた。」
「……斯卡塔赫,誓約已經履行。」
手をかざせば三本の精霊剣五帝は消える。跡形もなく世界から消え失せた。
拿起的三把精靈劍五帝消失了。沒有留下一絲痕跡,就從世上消失無蹤。
比呂は立ち上がると、グランツ軍が待機する場所に視線を飛ばす。
比呂站起身來,將視線移到葛蘭茲軍隊待機的地方。
「リズ、全ては一つだよ。」
「麗茲,萬物終將歸一啊。」
比呂はグランツ軍に背を向けて步き始める。
比呂背對葛蘭茲軍隊的方向抬起步伐。
果てしない、どこまで続いているのか、気が遠くなるほどの道のりを。
這無邊無際,長遠的路途究竟會持續到哪裡呢?
外套が風に煽られて空気を穿ち、秋風が頬を撫でつけていく。
被風吹拂的外套穿過空氣,秋風輕撫著臉頰。
「──残るは炎帝だけだ」
「──再來,就只剩炎帝了。」
終章 完
吐槽:是的,冰帝持有者和某影之國女王同名。