东离剑游纪吧 关注:18,138贴子:212,193
  • 12回复贴,共1

【搬】febri虚渊玄访谈翻译

取消只看楼主收藏回复

1L


IP属地:江苏1楼2021-07-07 16:39回复
    【7/6访谈】
    【角色互换身份从以前就想试试了】
    ——凛雪鸦的行动在之前的系列作品中也令人目瞪口呆,《东离3》中也漂亮地干了一番大事,完全被骗到了。
    虚渊:哈哈哈。看完整季后再回头二周目的话,能够明白这是多么厉害的事情。其实角色互换身份的展开,在开始写这个系列不久就想试一试了。
    ——是之前保留下来的主意吗?
    虚渊:凛雪鸦基本已经被观众认定为是骗人的角色了不是吗。但一直以来,都把他骗人的手法和过程直接展示给观众看,所以想写一段戏里戏外的人都被他欺骗的剧情。这在三期终于得到实现。
    ——原来如此,正是因为到了TV第三期,也有看过一期和二期才上当的地方。比如,一边想着好人不会这样死掉,但虚渊老师的话、TBF的话,也许卷残云就这样死了也说不定……之类的(笑)
    虚渊:啊哈哈。每当新系列开始时,都会有作者伙伴向我确认“卷残云不会死吧?”之类的。
    ——我明白这种心情!
    虚渊:所以,这次大概会被观看的各位说“真有你的!”,我也做好了这样的觉悟(笑)。


    IP属地:江苏2楼2021-07-07 16:41
    收起回复
      【想把三期作为之后发生的故事的入口】
      ——作品中的角色被凛雪鸦耍得团团转,观众的我们被虚渊老师耍得团团转……大概是这样的感觉吧。那么,接下来请告诉我们TBF三期的故事是以怎样的理念设计出来的。
      虚渊:TV系列一期、二期和2作剧场版是「如果能确保预算、有机会的话就将故事继续下去」这样的,说得直白一点,就是负债经营(原文自転車操業,指风险很大的投资)。不过从结果上说,立下了将TBF做成系列长篇的目标,和霹雳社商量后,决定将三期作为今后长篇展开的基础。也就是说,三期跟之前不同,是即将在东离和西幽舞台发生的大故事的开篇。所以,一期和二期都是完整的故事,而三期没有结尾。是今后开始的故事的入口。是为了今后发展而做的准备。所以三期先将一期、二期、剧场上映作品的角色全部登场、也是为了给他们分配新的位置。
      ——具体的情节是怎样考虑的呢。
      虚渊:首先,第一期设定了相互隔绝的两个国家,讲述远渡而来的异邦人的故事。但是,如果保持这个设定,会成为今后故事拓展的枷锁。所以必须准备连接两个世界的机关。这是三期的一个重要任务。
      ——所以有了刑亥的活跃和无界阁的诞生吧。结果,不仅连通了国家,还出现了超越时空的力量。
      虚渊:是这样。也因此可以接触到过去,写一写神诲魔械的起源了。其实第十话登场的设定,是在一期时跟霹雳的各位商量好的里设定。有了无界阁后,觉得正是展示的时机,就放在三期中了。
      ——作为神诲魔械诞生契机的白莲这一神秘人物,热爱霹雳布袋戏的粉丝们似乎有些头绪……
      虚渊:关于这点,在这里就不明说了。不过,TBF不是封闭的世界,以这个作品为契机将“布袋戏”这一载体告诉大家是我一直以来的愿望。对此在意的人可能会主动去了解。


      IP属地:江苏3楼2021-07-07 16:42
      回复
        【异飘渺是成功实施计划的了不起的角色】
        ——另一方面,另一位在TV三期登场的西幽新角色,异飘渺,在另一种意思上很好用……
        虚渊:嘛,该说相当可怜还是什么好呢,他是承担了剧情发展的角色。
        ——是继TV二期的啸狂狷后TBF系列又一位小恶党的配置,但跟啸狂狷类型不同。
        虚渊:是这样。之前就想写一个使用邪法的武术,用非正道的方法打架的角色。在这层意思上,比起啸狂狷,他的定位更像是执着于漂亮战斗方式的杀无生。
        ——哦哦,原来如此!
        虚渊:不过,杀无生也好异飘渺也好,这个故事中 “武功痴人”类的角色都比较难以活跃……最后也成为阴谋的牺牲品而死掉的感觉(笑)
        ——角色形象已经树立起来,有种“这就退场了!?”的感觉(笑)
        虚渊:这是好的意义上的失误,没有想到人偶的脸做得这么好。在意外的地方立起了形象。
        ——三白眼的造型也很新鲜呢。
        虚渊:如果设定成太没个性的角色,那场互换反而太容易被看穿。在这点上,要感谢人偶设计。还有就是,虽然(异飘渺)干脆地死掉了,但也算是成功拿到了魔剑目录。在成功实施计划的层面,是个了不起的角色。


        IP属地:江苏5楼2021-07-07 16:44
        收起回复
          【7/7访谈】
          【浪巫谣是被女性翻弄人生的角色】
          ——在西幽,不仅是新角色,嘲风也再度登场。还是一样可怕的女孩,刚想着她跟浪巫谣又见面了,一下子就做出这么大胆的举动。
          虚渊:嘲风也是浪巫谣背负的因果(*業)之一吧,拉扯着他的命运。在这个层面上,是跟睦天命相对应的角色。
          ——从剧场版开始,立场改变了人际关系还是老样子,浪巫谣是女难很多的角色呢……
          虚渊:是的。帅气的男人总是会变成这样(笑)。面对女性毫无动摇的男性,我自己很难作为英雄来描写。不管怎么说,可能是有希望女性成为男性的弱点这样的价值观吧。「世界上男男女女多到数不清,但是,荷西·孟德莎全世界只有一个……!」矢吹丈(*出自《明日之丈》)
          的那句台词,我大概一辈子也写不出来。总是写完全相反的角色。
          ——话虽如此,睦天命还活着令人松了一口气。从结果而言,浪巫谣又背负了什么。过去那段故事是相当揪心的展开……
          虚渊:是吧(笑)。果然,包括母亲在内,浪巫谣是个被女性翻弄人生的角色。


          IP属地:江苏6楼2021-07-07 16:44
          回复
            【包括2期没能展现的设定在内一起完结的娄震戒和七杀天凌】
            ——说到存活,睦天命的身边还有天工诡匠,也一起再次出场了。
            虚渊:发明家这种非常便利的人物,比起一个接一个地出来还是用同一个角色比较好。
            ——说到发明家,还有鬼夺天工。娄震戒的义肢再次扩展了TBF的世界观,感觉是非常独特的机关。
            虚渊:鬼夺天工算是为系列后续做准备,三期让他先出来露个脸……这样的感觉。
            ——啊,原来是这样!
            虚渊:他还有登场机会。某种意义上说,他是构思了续篇基础上整个三期故事的特征角色。
            ——还有,和疯狂科学家有交集的娄震戒,印象中是因虚渊老师的兴趣诞生出的角色。
            虚渊:是这样。娄震戒出自星海社老师出版的《红龙》这一跑团游戏的重录小说。没来及展现出全部设定二期就完结了。像七杀天凌的过去、娄失去手臂装上义肢之类的。要做三期的话,我想补完这些设定再让角色完结。就以这样的形式重新登场了。
            ——跑团游戏也能放进那个世界。“可以在TBF写这样的故事吗”令人惊讶。
            虚渊:本来霹雳布袋戏也是很自由的世界观。为了让大家看到本家不觉得惊讶,事先在TBF演习一番,的感觉(笑)
            ——结果,他所爱的七杀天凌,又是变成人类,又是狂暴打倒,然后被带走终结……这样的感觉。
            虚渊:是的(笑)。想把二期没有用到的设定在这讲完,全部糅合进去就变成这样,好像最终BOSS一样。然后,放任两人随心所欲,世界会变得一团糟,所以先让他们退场,不然故事没法继续推进了。
            ——有关娄震戒的描写,加上石田彰老师的声音,终盘每次出场都很欢乐。
            虚渊:真的是奇妙的演出。
            ——本以为只要是七杀天凌不管变成什么样子都无所谓,结果只对剑形态的七杀有兴趣。
            虚渊:对一切都没有兴趣徘徊至今的谛空,只因一把剑还俗成为娄震戒,他不认同这把剑以外一切事物的价值。反过来说,正因为是这样的他,曾经才作为谛空过着空虚的生活。


            IP属地:江苏7楼2021-07-07 16:45
            回复
              【三期之后会是东离、西幽、魔界三个世界的故事。】
              ——娄震戒的演出也是如此,在故事规模逐渐宏大的展开中,经常插入引人发笑的情节令人印象深刻。凛雪鸦的通信器也是,吓了一跳。没想到会拿出黏土人来。
              虚渊:那是GSC(良笑社)加入这个项目开始,就想着有一天要搞的捏他。看到台湾在素还真黏土出来的时候,让布袋戏人偶拿着自己的黏土人说话的影片,感觉上非常合适。正好能被人偶拿在手里的尺寸。
              ——真正的黏土人和布袋戏人偶,就是影像中的尺寸比例吗?
              虚渊:是的。影片是霹雳利用黏土人的可动机关加工而成的。
              ——这样一来,观众也想要了呢。
              虚渊:我想也是,但现在绝版了(苦笑)。
              ——真是遗憾。说起来,Netflix上也能看到本家的霹雳布袋戏《刀说异数》,得到虚渊老师应援寄语的布袋戏主题纪实电影《台湾、街角的人偶剧》也公开了,日本对布袋戏燃起热情的盛况,跟TV第一期出来的时候相比恍若隔世呢。
              虚渊:是啊。
              ——然后TBF的世界也刚刚开始。在三期最终话,祸世螟蝗表明真身,浪巫谣与殇不患分离展开新的行动,续篇作品世界还将继续拓展。最后,能在可能的范围内告诉我们现在的构想吗?
              虚渊:好的。能说的就是,迄今为止几乎没有描写的魔界将会跟东离和西幽一样用相当的笔墨来描绘,想要拓展作品的世界。之前是东离和西幽两个世界,三期后将是包含魔界在内的三个世界的故事。
              ——哦哦。
              虚渊:为什么魔界的魔族会侵攻人界,为什么败北后回到地下。像这样的故事如果能呈现出来就好了。
              ——原来如此,会继续挖掘穹暮之战相关的故事吗?
              虚渊:是的。刑亥也有两百年没回魔界了,刑亥带领着浪巫谣在魔界旅行,就像殇不患漂流到东离那样,能一点点向大家展现魔界的模样就好了。
              ——刑亥也好,促使浪巫谣行动的阿尔贝卢法也好,魔族对时间和空间的认知根本上(与人类)不同,对这点我也很感兴趣。
              虚渊:首先魔族跟人类寿命不一样,并且精通魔术,价值观也有很大差异。还有大体上性格更偏向邪恶的一方。
              ——接下来又能在TBF的世界里看到新面孔了呢。殇不患也是,他身上的秘密看似明朗起来,又增加了新的谜团。
              虚渊:是的。包括这些在内,之后的剧情将慢慢为大家揭开这些谜团。还希望大家能够长久地陪伴这个世界!


              IP属地:江苏8楼2021-07-07 16:47
              回复
                原文1
                キャラクターが入れ替わる展開は前からやってみたかった
                ――凜雪鴉(リンセツア)の行動にはこれまでのシリーズでも呆気にとられてきましたが、『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3』でもまた見事にとんでもないことをやらかしてくれて、すっかりだまされました。
                虚淵 ははは。全話を見たあとであらためて2回目を見ていただくと、どれだけひどいことをやっているかがより詳しくわかる構造になっていると思います。じつはキャラクターが入れ替わる展開は、このシリーズを始めたけっこう早い時期からやってみたかったんです。
                ――前々からあたためていたアイデアだったんですか?
                虚淵 凜雪鴉はもう、ファンの方には基本的に人をだますキャラクターだと認識されているじゃないですか。ですけれども、そのだましの手口はずっと視聴者には開示されてきた。いつか、そうじゃなくて、作中の人物にくわえて視聴者も丸ごとだますようなことをやらせたいと思っていまして。それがようやく3期で実現できたわけです。
                ――なるほど。TVシリーズ3期ともなると、TVシリーズ1期、2期での展開を見ているからこそひっかかる部分もあって、たとえば、いいキャラだからこんな死に方はしないだろうと思いつつ、虚淵さんなら、『Thunderbolt Fantasy Project』なら、捲殘雲(ケンサンウン)はここであっさり殺されるかもしれない……とか(笑)。
                虚淵 あはは。ライター仲間からも「捲殘雲は死なないだろうね?」みたいな念押しを新しいシーズンが始まるたびにされるんですよ。
                ――その気持ち、わかります!
                虚淵 だから、今回も見てくださった皆さんに「やりやがった!」ぐらいは思われるだろうなと、こっちも覚悟してやりました(笑)。
                3期は、ここから始まる物語の入り口と考えて書きました
                ――作中のキャラは凜雪鴉に振りまわされ、見ている私たちは虚淵さんに振りまわされ……といった感じですが、では、ここからあらためてTVシリーズ3期のストーリーはどのようなコンセプトからスタートしたのか、順を追ってお話を聞かせてください。
                虚淵 TVシリーズ1期、2期と劇場上映作品2作までは「予算が確保できて、チャンスをもらえたら続きの話を作っていきましょう」みたいな、言い方は悪いですが、自転車操業だったんです。でも、結果的により長く、大きなシリーズとして『Thunderbolt Fantasy Project』という物語を作る目途が立ちそうになったので、霹靂社(ヘキレキシャ)さんと相談して、3期からは長期展開を踏まえたお話の組み方をすることにしました。つまり、3期はこれまでと違って、東離(トウリ)と西幽(セイユウ)を舞台にした大きなストーリーを描くのを見越して作った、最初の作品ということですね。だから、1期、2期ではそれぞれひとまずストーリーを完結させてきたんですけれども、3期は終わらない、ここから始まる物語の入り口と考えて書いたんです。先の物語を広げるための下準備といいますか。1期、2期、劇場上映作品2作分のキャラクターを一旦全員登場させて、あらためて配置し直すための3期でした。
                ――具体的なエピソードはどう考えたのでしょう?
                虚淵 まず、1期は隔絶されたふたつの国があり、そこを渡ってきた異邦人の物語でした。ただ、そのままだと今後、大きな話を組み立てるうえではちょっと枷となってしまう設定だったので、ふたつの世界を結びつけるギミックを用意しなければいけない。まずはそれが3期の大きな役目だったんです。
                ――そこから刑亥(ケイガイ)の暗躍と無界閣(ムカイカク)というアイデアが生まれたんですね。その結果、国をつなぐだけではなく、時空を超える力が『Thunderbolt Fantasy Project』の世界に登場します。
                虚淵 そうですね。それによって過去のエピソードに触れられるようになったので、神誨魔械(シンカイマカイ)の起源を描くことができました。じつは第10話で登場したあの設定は、1期の頃から裏設定として霹靂の皆さんと相談して決めていたものだったんです。無界閣のアイデアを思いついたとき、開示できるチャンスだなあと思って、3期で入れさせてもらいました。
                ――神誨魔械の誕生のきっかけになった白蓮(ビャクレン)という謎の人物は、霹靂布袋劇の熱心なファンの方にはピンと来るものがあったようですが……。
                虚淵 その点は、今は明言するのは止めておきます。ただ、『Thunderbolt Fantasy Project』という閉じたコンテンツとしてではなく、この作品をきっかけに「布袋劇」というジャンル全体を知ってほしいという願いは前からありましたので、気になった方はいろいろと調べていただけるといいかもしれませんね。
                萬軍破は『Thunderbolt Fantasy Project』では初の「殉職者」!?
                ――話を戻すと、『Thunderbolt Fantasy 西幽玹歌』で描かれていた西幽のキャラクターをTVシリーズ3期で再登場させるにあたって、どんなことを考えながら新キャラクターを造形したのでしょう?
                虚淵 全体のバランスを意識して、なるべく既存のキャラクターと方向性がかぶらないようにするのは神経を使いました。たとえば、コメディリリーフみたいな物語の要請から生まれる役割に関しては、可能な限り既存のキャラクターに背負ってもらう。そのうえで足りない役割に新キャラクターをあてていくという作り方をしました。
                ――たしかに、新キャラクターで物語上大きな役割を果たした萬軍破(バングンハ)は、これまで登場してきたキャラクターとは、立ち位置がまた違う印象でした。
                虚淵 萬軍破に関しては、西幽が暗君と汚職役人しかいない世界観になってしまっていたので、あの国における正義の在りかを代弁するキャラクターがほしいと思って、あんなキャラクターになりました。最後に明かされた西幽での禍世螟蝗(カセイメイコウ)の立ち位置も、2期の段階で漠然と構想があったんですよ。そうすると、西幽の偉い人はみんな悪い人だということになってしまう。それはさすがによくないなと。悪人が権力を握ってはいるものの、ちゃんと西幽にも良心を備えた人がいると見せるためのキャラクターでしたね。
                ――非常に熱い最期を迎えて。まさに燃え尽きるというか。
                虚淵 ですよねえ。その話だと、萬軍破はじつは『Thunderbolt Fantasy Project』で初の、撮影中の「殉職者」でもありまして……。
                ――!? どういうことですか?
                虚淵 萬軍破の「本尊」は、激しい演技を撮影しすぎて、撮影中に傷がついてしまったんです。そのため、今後、回想シーンなどに元のきれいな姿で出そうと思ったら、人形の傷をなおすしかない。そこまで追い詰められたキャラクターなんです。終盤、片目が赤くなっていたのも、血のりを使いすぎて目のなかに入り込んじゃったからなんです。
                ――最期の満身創痍な姿は演出ではなかった……。
                虚淵 そういうことです。本来だったらもう撮影には使えない状態なんですけど、最後の戦いを経たあとのシーンだったから、その状態で撮影続行しましょうと相談して、続けてもらったんです。
                ――それは実物を使って撮影する、布袋劇ならではのエピソードですね。
                虚淵 キャラクターとしてだけではなく、モノとしての人形にもやはり何か、運命がある感じがしますね。そんなこともあり、非常に思い出深いキャラクターになりました。
                異飄渺は企みそのものはうまくいっていた大したヤツなんです
                ――一方で、もうひとりのTVシリーズ3期からの西幽の新キャラクター、異飄渺(イヒョウビョウ)。ある意味では美味しいのかもしれませんが……。
                虚淵 まあ、なかなかかわいそうなというか、シナリオの割を食ってしまったキャラクターではありますね。
                ――TVシリーズ2期の嘯狂狷(ショウキョウケン)に続く『Thunderbolt Fantasy Project』小悪党列伝の一員という塩梅ですが、また嘯狂狷とはタイプが違って。
                虚淵 そうですね。外法の武術といいますか、正当ではない戦い方をするキャラクターを前に押し出したいという狙いがあって書いたキャラクターです。そういう意味では、嘯狂狷というよりは、きれいに戦うことにこだわった殺無生(セツムショウ)のネガみたいなポジションなんですよ。
                ――ああ、なるほど!
                虚淵 ただ、殺無生もそうでしたけど、このシリーズはどうも、そういうある種の「武辺一辺倒」なキャラクターがちょっと活躍しづらい物語になってしまったなあ……という気持ちはありますね。死に方も、本当に企みごとの犠牲になってしまった感じで(笑)。
                ――キャラが立っていたので「これで退場!?」という感はありました(笑)。
                虚淵 いい誤算なんですけど、人形の顔もすごくいい感じで作ってもらえたので、思わぬ方向にキャラが立ったんですよね。
                ――三白眼気味な造形がまた新しかったです。
                虚淵 あまりに没個性なキャラだと、逆にあのオチが見透かされてしまったと思うんです。そういう点では、人形のデザインに助けられましたね。あとまあ、たしかにあっさり死んでしまったとはいえ、一旦はまんまと魔剣目録を奪取してのけたわけで。企みそのものはうまくいっていたという意味では、大したヤツなんですよ。


                IP属地:江苏10楼2021-07-07 20:49
                收起回复
                  原文2
                  7月7日更新
                  浪巫謠は女性に人生を翻弄されているキャラクター
                  ――西幽では新キャラクターだけではなく、嘲風(チョウフウ)が再登場しました。相変わらずのヤバい娘で、浪巫謠(ロウフヨウ)と再会したかと思ったら、いきなり大胆なことを。
                  虚淵 嘲風は、やはり浪巫謠が背負う業のひとつなんです。彼の運命をひっぱり続ける。その意味で、睦天命(ムツテンメイ)と対になるポジションのキャラクターかなあ、とも思っています。
                  ――劇場版から、立場は変われどその人間関係の構図は変わらない。浪巫謠は女難のキャラクターなんですねえ……。
                  虚淵 そうですね。カッコいい男は、どうもそういうポジションに立たせてしまいます(笑)。女性を相手に揺るがない男性というのは、自分は英雄的に書けないところがありまして。なんだかんだで、女性が男のウィークポイントであってほしいという価値観があるのかもしれないですね。「世間にゃ男には女が‥‥女には男がお互い掃いて捨てるほどいるってこった しかしな ホセ・メンドーサは世界にたった一人きりしかいねえ‥‥!」っていう矢吹丈のあのセリフは、たぶん、自分には一生書けない気がします。真逆なキャラクターばっかり書いてしまう。
                  ――とはいえ、睦天命が生きていたのにはホッとしました。その結果、浪巫謠がまた何かしらを背負ってしまうとしても。過去のところはエグい展開でしたよ……。
                  虚淵 ねえ(笑)。やっぱり母親も含めて、浪巫謠は女性に人生を翻弄されているキャラクターだなあと思いますね。
                  2期で拾えなかった設定まで含めて完結させた婁震戒と七殺天凌
                  ――生存といえば、睦天命のそばには天工詭匠(テンコウキショウ)がいて、こちらも再登場しました。
                  虚淵 発明家というのは非常に便利なポジションなので、次々と出すよりは同じキャラクターに続投して務めてもらいたいなと。
                  ――で、発明家キャラといえば、鬼奪天工(キダツテンコウ)。婁震戒(ロウシンカイ)の義手は『サンファン』世界の幅がまたひとつ広がる、ユニークなギミックだと感じました。
                  虚淵 鬼奪天工はそれこそ今後のシリーズに向けての顔出しとして、3期にもちょっと来てもらった……ぐらいのポジションですね。
                  ――あ、そうなんですか!
                  虚淵 彼はまだ出番があります。ある意味、続編まで構想したうえで書く3期の物語の特徴的なキャラクターではありますね。
                  ――そして、そのマッドサイエンティストと絡む婁震戒。虚淵さんの趣味がさく裂したような印象ですが。
                  虚淵 そうですね。婁震戒の出典は星海社さんで出した『レッドドラゴン』というロールプレイングゲームのリプレイ小説のキャラクターだったわけですけど、そこで用意した設定の全部を拾わないまま2期が終わってしまったんです。七殺天凌(ナナサツテンリョウ)の過去の設定とか、彼が片腕を失って義手になるとか。3期をやるならば、その辺まで含めてキャラクターを完結させたいという欲が出まして、ああいった形で再登場しました。
                  ――ロケットアームはあの世界はアリなんだと。「ここまで『Thunderbolt Fantasy Project』はやっていいんだ」的な驚きがありました。
                  虚淵 もともとの霹靂布袋劇がそのへんは自由な世界観なので、本家を見たときにびっくりしないように『Thunderbolt Fantasy Project』でもこれくらいは予習としてやっておかないとな、といった感じです(笑)。
                  ――で、その愛の対象である七殺天凌は、人間体は出るわ、暴れ倒すわ、そしてオチも持っていくわ……という感じで。
                  虚淵 ええ(笑)。2期で描ききれなかった設定を使いきりたいと思って、すべてを詰め込んだ結果、ラスボスになったという感じです。そして、あのふたりが暴れている限り、世の中はめちゃくちゃになっていくわけですから、そういった点では一旦退場していただいて話を先に進めないと。
                  ――それにしても婁震戒がらみの描写は、石田彰さんの声も相まって、終盤は出てくるたびに笑いっぱなしでした。
                  虚淵 本当に怪演していただきましたね。
                  ――七殺天凌であればどんな形でもいいのかと思いきや、剣の姿をした七殺天凌にしか興味がない。
                  虚淵 何にも興味を持てずにさまよっていた諦空(テイクウ)を、婁震戒に還俗させた理由がたった一本の剣だった以上、その剣以外のものに関しては本当に一切合切価値を認めていないんですよね。逆にいえば、そんな彼だからこそ、かつて諦空として生きられたわけでしょうし。
                  3期以降は東離と西幽に、魔界も含めた3つの世界の物語に
                  ――婁震戒の怪演もですが、物語が壮大なスケールで展開しているなかに笑いを誘う展開がちょこちょこ挟まれているのも印象的で。凜雪鴉の通信機も、びっくりしました。ねんどろいどがあんなふうに出てくるとは。
                  虚淵 あれはグッスマ(グッドスマイルカンパニー)さんにこのプロジェクトに入ってもらった当初から、いつかはやりたいと思っていたネタでした。台湾で素還真(ソカンシン。霹靂布袋劇の主人公)のねんどろいどが出たときに、布袋劇の人形が自分のねんどろいどを持っていろいろ語るというプロモーション映像を見たのですが、サイズ的にもその組み合わせは非常にいいなと思ったんです。人形が手で握ったときに、ちゃんとわかるサイズで。
                  ――あれは本物のねんどろいどと布袋劇の人形で、あの映像に出てくるサイズ差なんですか?
                  虚淵 そうですよ。映像に映っているのは、霹靂さんに加工してもらって、ねんどろいどに可動ギミックを組み込んだものです。
                  ――となると、お客さんも欲しくなりますね。
                  虚淵 だと思うんですけど、絶版中なんです(苦笑)。
                  ――それは残念ですね。ところで、Netflixで本家の霹靂布袋劇『PILI人形劇:ウォー・オブ・ドラゴンズ』も見られるようになっていますし、虚淵さんが応援コメントを寄せた布袋劇が題材のドキュメンタリー映画『台湾、街かどの人形劇』の公開もあって、日本での布袋劇を取り巻く状況は、TVシリーズ1期の頃とは隔世の感があるような。
                  虚淵 そうですねえ。
                  ――そして『Thunderbolt Fantasy Project』の世界もまだまだこれから。3期の最終話では禍世螟蝗の正体が明かされ、浪巫謠は殤不患(ショウフカン)と離れて新たな行動を始め、続編では作品世界がさらに動きそうです。最後に、現時点での構想を可能な範囲で聞かせていただけないでしょうか?
                  虚淵 はい。ひとつお話しできることとしては、これまで描写がほぼなかった魔界を東離と西幽と同じぐらいの比重で描いて、作品の世界を広げたいと考えています。東離と西幽という、ふたつの世界の物語だったのが、3期以降は魔界も含めた3つの世界の物語になっていく構想です。
                  ――おお。
                  虚淵 なぜ魔界から魔族が人界に攻めてきて、そしてなぜ敗北して地下に戻っていったのか。そういったところの事情も描写していけたらと考えています。
                  ――となると、窮暮之戰(キュウボノセン)あたりのお話もさらに掘り下げられたり?
                  虚淵 そうですね。刑亥もなんだかんだで魔界に戻るのは200年ぶりですし、その刑亥に案内されて浪巫謠が魔界を旅していくなかで、東離に殤不患が流れついたときのように、魔界の姿が少しずつ見えるようになるといいかなと。
                  ――刑亥にしろ、浪巫謠の行動のきっかけになった阿爾貝盧法(アジベルファ)にせよ、魔族は時間や空間の捉え方の根本から違う描かれ方をしていて、その意味でも興味深いです。
                  虚淵 まず魔族と人間は寿命が違いますしね。それと魔術に精通しているので、価値観もかなり食い違っている。あと、おおむねその気性において邪悪な方向にかたよりがちなんです。
                  ――ここからまた『Thunderbolt Fantasy Project』の世界が違った顔を見せてくれそうです。殤不患にしても、彼の謎はだいぶ明かされましたが、増えた謎もあって。
                  虚淵 ええ。そういったところも含めて、ゆくゆくはいろいろな謎をきちんと開示したいと思っていますので、どうか末永く、この世界にお付き合いいただければ幸いです!


                  IP属地:江苏12楼2021-07-07 20:52
                  回复
                    【7/8更新】
                    每集剧情解析
                    ・1話「無界閣」
                    虚渊:TV系列三期第1话是紧接着二期最终话的,因此需要一段概括一二期剧情并引入下文的承接。所以提及了很多TV一二期出现的特殊短语,对话也比较多(笑)。作为故事导入,首先展现出来的是无界阁的美术。二期因为故事的关系,普通的景色……荒野和旧屋的场景比较多。而三期不是这样,想给大家看看脱离常识的场景,在第1话就点出这个方向性。还有就是,新角色亮相也是一个看点。特别是异飘渺特殊的打戏也值得在本集欣赏。
                    ・2話「魔境漂流」
                    虚渊:第2话是展现本季关键道具——逢魔漏力量的集数。三期会在许多地方辗转冒险,为了理解这个前提,需要告诉观众使用这个道具会发生什么得到什么,这些都集中在本集讲了。为此,奢侈地使用了许多人物和布景。红色头发的人仅仅出现在本集。时间旅行……写的时候并没有特别注意,可能作为SF(科幻)的题材我个人比较喜欢吧。还有就是,一上来就遭遇危机的卷残云也是看点……大概(笑)。作家同伴中也有不少担心他的人,不过,既然在三期活了下来,今后应该也不太会便当了。
                    ・3話「愛執の皇女」
                    虚渊:本集是讲述万军破故事的回合。万军破的气概和瓜葛基本都在这集说明了。同时也是浪巫谣被刺、娄震戒装备义肢的集数。浪巫谣被刺后,暂时只能让人背着了。即使是强大的角色,在任何时候都无敌的话故事是无法成立的。该脆弱的时候就躺平,对我来说是组成故事的必要元素。浪巫谣老老实实被嘲讽刺伤是因为他对自己异于常人的特质抱有自卑,不管结果如何,他背叛了接受自己异能的嘲风,对此感到内疚。
                    ・4話「魔剣の行方」
                    虚渊:第4话是娄震戒乱入战斗和睦天命登场的回数。娄震戒那边,一边写一边想“真像东映的展开”。负责搅局的2号来打基本也会做这种事吧……之类的。因为经历过『假面骑士』的现场,染上了东映的习惯?大概这样的感觉。娄震戒用新招的时机,也非常假面骑士(笑)。
                    ・5話「妖姫伝説」
                    虚渊:第5话是上集最后登场的睦天命和天工诡匠的大量对话,和揭露七杀天凌也就是照君临过去的篇章。也可以说是回忆回。展现七杀天凌的里设定,时间和场景跨度较大,需要大量的新布景和小道具,拍摄负担相当大。关于治疗浪巫谣伤口的药,既然是奇幻故事,这种作弊道具也是允许的吧。越是硬核的作品就越难把控角色的受伤程度。一旦打斗就有受伤,但如果随便让角色受到重伤,又难以复归战线。但在有魔法的世界,就可以让彻底弱化的角色一口气回到最佳状态。应该没人不想活用这种设定吧。
                    ・6話「禍世螟蝗」
                    虚渊:6话的看点是同祸世螟蝗的对战。可能是三期最精彩的场面,现场也非常用心亲自帮忙。这段是在其他拍摄都结束后,集中全力拍的。因为是同整系列最强角色的对战,必须认真对待。使用了高速摄像机,完美回应了这边的期待。祸世螟蝗由速水奖老师出演,压迫感十足。
                    ・7話「魔界伯爵」
                    虚渊:这一话是魔界亮相篇的感觉。大概从这段开始,形形色色的想法交错碰撞,事情变得复杂起来。阿尔贝卢法也在本集出场。前期的展开比较难理解,观看的朋友们可能会有些担心。魔界三兄弟要“像《猛鬼追魂》那样比较好”我这样笼统地告诉他们,设计就交给霹雳社了。看到成品时惊叹“布袋戏世界能召唤saber吗!”(褒义)。


                    IP属地:江苏19楼2021-07-08 17:49
                    收起回复
                      ・8話「陰謀詭計」
                      虚渊 这话写脚本的时候苦恼了许久,各方势力乱入,每个势力内部也不是一条心,事情变得很复杂。而且,下一话那个人就要开始换身份了,要把人员分配调整得方便调包才行。现在回过头看,殇不患几乎被排挤在外了(笑)。
                      ・9話「時の辻神」
                      虚渊 从这边开始,是二周目观看会更加有趣的故事。凛雪鸦、卷残云、异飘渺三人互换身份。脚本的开头写了“请以不要被观众察觉为前提,演出时注意(身份的互换)”的说明,事先告知了操偶师和声优,是一场出色的表演。内容上是殇不患和浪巫谣发生了一点小摩擦,也有蛮吓人的展开。最后白莲的登场时机,是否有冲击感呢。故事进入后半,新角色登场,世界观扩展,相当气派的展开。
                      ・10話「聖剣の秘密」
                      虚渊 因为白莲是十分重要的角色,写脚本时很紧张。最后苦思出的便是这段剧情。殇不患与白莲的交谈内容,可能是三期的内核。台词中也提到了,我对“回溯时间”的态度是比较消极的。不管用怎样的方式,篡改过去这种事都是错误的。不是说其他作品这样写是NG,只是我个人的价值观。即便后悔,也要怀抱后悔继续面对未来。如果越过这一条线,可能就不再是人了。想要作为人类在世上挣扎,就不能想着改变命运。
                      这一点可能也体现在殇不患和睦天命的塑造上。殇不患和睦天命原本是工作的搭档,他们保有这种自觉,即使互相吸引,也会划清界线。殇不患在与祸世螟蝗的战斗后,不想再让睦天命受到伤害而跟她保持距离。但是,又对疏远她感到内疚,觉得自己必须负起责任来完成使命才行。如果直接同她见面,没有自信不暴露自己的软弱,有种一个人作茧自缚的感觉。另一方面,睦天命坦然接受了悲剧,无怨无悔。只是,她也明白殇不患不是能简单看开的人,所以故意不去追他,也没有问责。二人虽然有别,但都是成熟的人,不会想要改变过去。在这一点上,同两人感情深厚的浪巫谣,很担心二人现在的状态。只有他怀抱后悔无法释怀。
                      细节方面,凛雪鸦捏的刑亥的腿,是由硅胶还是什么柔软材料制作的货真价实人偶的腿。不是实拍(人类的腿)哦(笑)。不仅是打戏,这一部分也经过反复实验摸索,提升了影片质量。
                      ・11話「遠い歌声」
                      虚渊 这一话表明祸世螟蝗态度的部分很重要。善与恶,两边都没有意义,要站在能裁定善恶的立场上,才是真正的支配者……这样。可以说这种思考方式就是他的真面目。是比恶人更坏的最终BOSS。还有就是浪巫谣出身的秘密了。浪巫谣好像总是在遭遇不幸。这段故事露骨地展现了魔族的价值观。将憎恶当作爱来接受的家伙们,这就是魔族。身为魔族的阿尔贝卢法,是我想象的纯粹的恶人。不是祸世螟蝗那样超越了恶的恶,是极尽恶人之道,生来就扭曲的邪恶角色。刑亥也有扭曲的地方,但她时不时会犯蠢、会轻敌,有着可爱的地方。阿尔贝卢法则是价值观明显与人类相悖,像外星生物一样的恶。
                      ・12話「烈士再起」
                      虚渊 揭露真相的一回。写脚本跟看声优收录都很痛快。每个角色都很有看点,特别是剧情发展到这里,万军破终于帅气起来。听完殇不患的说教,按脚本应该以万军破的沉默结束,但大塚明夫老师即兴加了一句“然也”。因为太帅气所以采用了(笑)。万军破本来也是因大塚老师为契机诞生的角色。在构思三期剧本的时候,偶然遇见大塚老师,他说“有机会再一起工作吧”。说起来,小山力也さん和安元洋贵さん这些粗声线男声优担任的角色都便当了,再写一个这样的角色,让大塚さん来演出好了……仅仅是想着“如果他能演的话”,并没有正式定下人选。最后成功请他出演,包括即兴演出在内,有种角色完成了的感觉。
                      ・13話「照君臨」
                      虚渊 13话全是打戏!真的是一直在战斗,从团体战到个人决斗,各种极尽技术的精彩场面。还有很多像万军破挨个使用目录魔剑这种,在脚本阶段没有的点子。三期暗潮涌动的场景比较多,能有一场将郁愤一扫而空的华丽打戏,真是太好了。


                      IP属地:江苏24楼2021-07-08 17:54
                      收起回复
                        原文3
                        ・1話「無界閣」
                        虚淵 TVシリーズ3期の1話はTVシリーズ2期の最終話から時系列がつながっていて、3期が1期、2期で描かれた内容の総括から始まることを開示する必要がありました。だからTVシリーズ1期、2期で出てきた特殊な単語が飛び交ううえに、会話の量もちょっと多くなってしまいました(笑)。物語の導入部としての見せ場は、まずは無界閣の美術。2期は物語の都合上、普通の景色……荒野や廃屋のシーンが多かったので、3期はそうじゃない、常識離れした美術を見せたいという思いがあって、1話からその方向性を示してみました。そしてもうひとつ、新キャラクターの顔見せもポイントです。とくに、異飄渺の特殊なアクションを見ていただく話数になっているかと思います。
                        ・2話「魔境漂流」
                        虚淵 2話は今回のキーアイテム、逢魔漏(オウマロウ)の力を見せる話数でした。3期はいろいろな場所を転々としながら冒険を繰り広げていくわけですが、その前提を理解してもらうために、このアイテムを使うと何が起こり得るのかを一気に畳みかけて開示する。そのために、セットやキャラを贅沢に使わせてもらいました。赤い髪の人とか、この話数でしか出てこないですからね。時間旅行は……あまり書くときは意識していませんでしたけど、SFのテーマとして好きなのかもしれません。あとは、いきなり危うい目に遭う捲殘雲も見せ場……かなあ(笑)。彼のことを心配する人はライター仲間にも多いんですけど、まあ、3期を生き延びた以上、このあとはそうそう死なないと思います。
                        ・3話「愛執の皇女」
                        虚淵 萬軍破の物語を描く回ですね。萬軍破のバックボーンや葛藤は、この話数でほぼ説明しています。その裏で浪巫謠が刺されたり、婁震戒が義手になったりする話数でもありますが。浪巫謠は刺された結果、しばらく背負われっぱなしに。強いキャラクターであっても、あらゆる局面において無敵だと物語が成立しない。もろいときはとことんもろいというのが、自分のなかでは物語を描くうえで必要な要素だと思っています。浪巫謠が嘲風に黙って刺されてやるのは、彼自身、自分が異形の人間であることに対する引け目があって、結果はどうあれ、それを受け入れてくれた嘲風を裏切った負い目を抱え続けているんでしょうね。
                        ・4話「魔剣の行方」
                        虚淵 4話は婁震戒が戦闘に乱入したり、睦天命が再登場したりする話数ですね。婁震戒のあたりは、書きながら「東映さんの作品っぽい展開だな」と思っていました。場を荒らす役の2号ライダーって、こういう動きをするよなあ……みたいな。『仮面ライダー』の現場を経験して、癖がついちゃったかな?みたいな気分になりました。婁震戒が新しい技を出すタイミングも、ライダーっぽいし(笑)。
                        ・5話「妖姫伝説」
                        虚淵 5話は前話のラストで登場した睦天命と天工詭匠ががっつりとしゃべるのと、七殺天凌こと照君臨(ショウクンリン)の過去が一気に語られる回。大きな過去回想編とでもいいますか。七殺天凌の裏設定をこの回ですべて開示するために時間も場面もどんどん飛ぶので、セットや小道具を大量に新しく作る必要があって、撮影には負担を相当かけました。浪巫謠の傷を癒やす薬に関しては、この作品はファンタジーと銘打っている以上、ああいう飛び道具もありかなと考えました。キャラクターのダメージコントロールは、作品がハードになればなるほど難しいんです。アクションをやればダメージを負わないわけにはいかないけど、下手にキャラクターを傷つけすぎると戦線に復帰できなくなる。でも、魔法がある世界なら、徹底して弱体化しているキャラクターも一気に戦線に戻せる。これは活用しない手はないだろうと。
                        ・6話「禍世螟蝗」
                        虚淵 6話の見どころは禍世螟蝗とのバトルシーンですね。3期でいちばんの見せ場かもしれないので、現場も力を込めて手がけてくださいました。ほかの撮影がひと通り終わったあと、満を持して撮ったんですよ。シリーズを通して最強のキャラクターとのバトルなので、そこはちゃんとしようと。ハイスピードカメラを使ったりして、見事にこちらの期待に応えてくれました。禍世螟蝗は速水奨さんの芝居も、圧倒的な感じでしたね。
                        ・7話「魔界伯爵」
                        虚淵 この話数は魔界登場編みたいな感じですね。このあたりから、いろいろな人の思惑が交錯し始めて、話がこじれます。阿爾貝盧法の登場もここからですし。先の展開がわかりづらくて、見てくださった人に気を揉ませてしまったかもしれません。魔界の三兄弟は漠然と「『ヘル・レイザー』みたいなのがいいです!」とだけお伝えして、デザインから霹靂さんにおまかせしました。見たときは「布袋劇の世界でセノバイトを召喚するとこうなるのか!」みたいな、いい意味での驚きがありました。
                        ・8話「陰謀詭計」
                        虚淵 このあたりは脚本を書くうえで悩みました。いろいろな勢力が入り乱れ、さらに各勢力も一枚岩ではなく、話がどんどんややこしくなっていく。さらに、この次の話で例のキャラクターの入れ替わりが起きるので、それに向けた配置の調整もありました。で、いざ見返してみると、殤不患がほぼ蚊帳の外の話だったんだなって(笑)。
                        ・9話「時の辻神」
                        虚淵 ここからが、2回目を見るとより楽しめる話ですね。凜雪鴉、捲殘雲、異飄渺の3人の中身が入れ替わっている。脚本の冒頭に「視聴者に悟らせないことを前提に、演出の際に念頭に置いていただきますようお願いします」と注意書きを入れて、操演師さんや声優さんにはあらかじめ伝えておいたので、うまく演じていただけたと思います。内容的には殤不患と浪巫謠のあいだでちょっと行き違いが生じたり、スリリングな展開にもなっていました。クライマックスで白蓮が登場するのも、ショッキングなタイミングにできたかなと思っています。話が後半戦にもなって、新キャラクターは出るわ、世界は広がるわで、派手な展開だったなあと。
                        ・10話「聖剣の秘密」
                        虚淵 白蓮は大事なキャラクターなので、脚本を書く際に緊張しました。それもあって、思い入れのあるエピソードです。殤不患と白蓮のやりとりの内容を考えると、もしかしたら3期のいちばんキモになるエピソードかもしれません。そこでのセリフにも出てきますが、やはり僕は「時間のループ」というものに対してネガティブなんです。過去の改ざんは、どんな形であれ、決していいものではない。ほかの作品に対してまでNGだと言いたいわけではないですが、あくまで僕個人の価値観としては、後悔は後悔で抱えて生きていかければいけないんじゃないかという気持ちがあります。それを踏み越えたら、もはや人ではなくなってしまうんじゃないか。人が人として悩む以上は、運命は変えてはいけないだろう、と。
                        それは殤不患と睦天命の描き方にも出ているかもしれません。殤不患と睦天命はもともと仕事のパートナーという意識があるから、お互いに惹かれるところがあっても、一線を引いていた。そして殤不患は禍世螟蝗との戦いのあと、睦天命をこれ以上傷つけたくないから一旦距離を置いた。でも、距離を置いてしまったことに対する後ろめたさもあって、仕事が終わるまでは責任を取れないと感じている。直に会ったときに、自分の弱さをさらけ出さずにいられる自信もない。わりとひとりでがんじがらめになっている。一方、睦天命のほうは悲劇を受け入れているというか、後悔はないんです。ただ、殤不患がそこまで割り切れる人間じゃないことも理解しているので、あえて追わないし、問いたださない。差はありますが、ふたりとも大人で、過去を変えたいとは思わないんです。浪巫謠はその点、ふたりに対して情を持ってしまったので、今のふたりの状態に気を揉んでしまう。彼だけが、後悔を抱えきれないところがあります。あとは細かいところだと、凜雪鴉が揉む刑亥の脚は、シリコンか何か、軟式の素材で作った人形の脚です。実写(人間の脚)じゃないですよ(笑)。アクションだけではなく、そういう部分でも試行錯誤して映像をパワーアップしてくれています。
                        ・11話「遠い歌声」
                        虚淵 この話数では、禍世螟蝗のスタンスが語られるところが重要ですね。善と悪、両方に意味はないのだ。善と悪を決めるポジションに立つのが、本当の支配者なのだ……と。まさにこの考え方が、彼の正体です。悪人よりもさらにタチの悪いラスボスのポジションですね。あとは浪巫謠の出生の秘密でしょうか。浪巫謠はどうもひどい目に遭うポジションのようです。そして、その話を通じて、魔族の価値観も露骨に見えてくる。憎しみを愛として受け止めるヤツらなんですよ、魔族は。その魔族である阿爾貝盧法は、自分が想像する純粋な悪役です。禍世螟蝗みたいな悪を超えた悪ではなく、悪の道を極めた、生来から歪んでいる邪悪なキャラクター。刑亥も歪みを抱えているんですけど、アイツはドジを踏んだり、ツメが甘かったりで、愛されキャラなところがあるので。阿爾貝盧法はもっと露骨に、価値観そのものが人間と噛み合っていない、エイリアンみたいな悪です。
                        ・12話「烈士再起」
                        虚淵 種明かしの回ですね。脚本を書いていても、声優さんたちの収録を見ていても爽快でした。それぞれのキャラクターの見せ場が作れて、なかでも、ここに至ってようやく萬軍破がカッコいいキャラとして立ち上がれた。殤不患の説教を受けて、脚本だと萬軍破は言い返さないで終わるんですけど、大塚明夫さんがアドリブで「然り」と入れてくださいまして。あまりにカッコよくて、採用しました(笑)。萬軍破はもともと大塚さんがきっかけで生まれたキャラでもあるんです。3期の話を考え始めようとしていたころに、たまたま大塚さんとお会いする機会があって「何かまた一緒にお仕事したいですね」とお話ししたんです。そういえば、小山力也さんであったり、安元洋貴さんであったり、太い声の男性キャストが声を当ててくださっていたキャラはみんないなくなってしまったし、そういうキャラを書いて、大塚さんに出ていただけたらいいな……と。あくまで「出ていただけたら」であって、大塚さんありきの当て書きをしたわけではないんですけど、結果的にはお願いできて、アドリブも含めて、キャラを完成させてもらえた感じがしましたね。
                        ・13話「照君臨」
                        虚淵 13話はアクションに尽きます! 本当にもう、ずっと戦い続けてもらって、集団戦から決闘から、芸の限りを尽くしてもらって素晴らしかったです。萬軍破が魔剣目録を使いこなすところでは、脚本の段階ではなかったアイデアをいっぱい盛り込んでいただけました。3期は静かな陰謀のシーンが多かったので、その鬱憤を晴らすかのように派手なバトルに徹してくれたのは、本当によかったです。


                        IP属地:江苏25楼2021-07-08 17:54
                        回复
                          前面被吞了两段。。。
                          【万军破是『Thunderbolt Fantasy Project』的第一位“歹旬耳只者”!?】
                          ——话说回来,TBF西幽玹歌中描写的西幽角色在TV三期再登场,是以怎样的想法设定新角色的呢?
                          虚渊 会考虑整体的平衡性,尽可能避免与现存角色重复。比如,像调节气氛(*原文コメディリリーフcomedy relief:指在严肃剧情中插入搞笑桥段或人物)这样的剧情尽可能让既存的角色来演。在此基础上无人能胜任的剧情交给新角色,是这样的写作方针。
                          ——确实,在故事中起到很大作用的新角色万军破,同之前登场的角色相比,身份举止都给人截然不同的印象。
                          虚渊 关于万军破,西幽描写的都是昏君和贪官,想写一个正义的代言人,就变成了这样的角色。最后揭示的西幽祸世螟蝗的地位,在二期也有模糊的构想。可这样一来,西幽的高层就全是坏人了,还是不太行。就算恶人掌权,在西幽也有良善的好人,万军破想给大家展示这点的角色。
                          ——非常热血的结局,正所谓燃尽生命。
                          虚渊 是啊,说到这个,万军破其实是TBF系列第一个摄影中的“歹旬耳只者”……
                          ——!?这是什么意思?
                          虚渊 万军破的“本尊”,经历了太多激烈的演出,在拍摄中弄伤了。因此,如果今后要以原本干净的姿态在回忆中登场的话,必修复好人偶的伤痕才行。是被逼到这种绝境的角色。故事终盘,单眼泛红也是因为用了太多血浆,渗到眼睛里去了。
                          ——最后遍体鳞伤的样子竟然不是特效……
                          虚渊 是这样没错。本来已经是无法拍摄的状态了,因为是最终战役之后的场景,我就提议以那种状态继续拍摄,得到了采纳。
                          ——这也是使用实物拍摄的只有布袋戏才有的魅力呢。
                          虚渊 不是作为角色,而是“物品”的人偶身上能感觉到像命运一样的东西。发生了这样的事情,是我印象很深的角色。


                          IP属地:江苏26楼2021-07-08 17:59
                          收起回复