071002 9/26完成記者会見
映画『クローズZERO』完成記者会見
2007年9月26日東京・六本木ヒルズ
出席者(敬称略):小栗旬、やべきょうすけ、黒木メイサ、高岡蒼甫、山田孝之
山本又一郎(プロデューサー)、高橋ヒロシ(原作者)、三池崇史(監督)
完成披露試写会“THE BLACK PREMIERE”が行われる前に、完成記者会見が行われました。
真っ白な衣裳で登壇したキャスト、スタッフの皆さん。
撮影中の面白いエピソードや、苦労話等、現場の明るい雰囲気が伝わってくるような、楽しい記者会見となりました。
山本プロデューサー:
ちょうど去年の春に「クローズ」とう漫画に出会い、全巻2日で読破しまして大変感銘を受けました。何とか映像化したいと思い、出版社の秋田書店さんにお伺いしてお話しさせてもらったのですが、とにかくこの原作が映画化されることはないでしょうと言われました。それから、やべきょうすけさんが、情熱を持って高橋さんと映画化の話をしてくれて、高橋さんも「もし万が一、映画化されるとしたら、やべきょうすけとやってるのではないか」という話を聞きまして、すぐにやべさんと会いました。わたしとしては簡単に映画化できるとは思っていませんでしたが、こういうテーマの作品をメジャーとして果たして出来るのかと、今の時代、暴力やいじめなどがすぐに取り上げられる時代であります。だけど原作の「クローズ」を読むと、この中で弱い者イジメをする奴は一人もいないんですね。みんな強い奴に向かって行くんですよ。そこからこの映画はメジャーで行ける作品になると確信しました。そんな中初めて高橋さんとお会いした時は、頑として映画化はしないというお話だけを聞いて、朝まで酒を飲んでその日は終わりました。でも僕とやべさんで映画化OKが出ていないのに脚本の打ち合わせをして、どうやったら面白くなるのかを話し合いました。面白い作品が出来たと自負しておりますが、是非みなさんの力でより多くの人に見てもらえる映画になってもらえればと思っております。今日は本当にありがとうございました。
三池監督:
こんにちは三池です。
映画が完成し、今日このような会見で沢山の人に集まっていただいたことを嬉しく思っています。
『クローズZERO』皆さんの力でよろしくお願いいたします。
Q.今回、映画『クローズZERO』のオファーを受けた理由は何でしょうか?
三池監督:
「クローズ」ですからね。男の子だったらやるでしょう。
世代的には「ガキデカ」なんですけど(笑)、10年くらい前から若い役者達がよく現場で「クローズ」の話をしていたので貸してもらったりしてました。まさか自分が撮ることになるとは思ってもいませんでした。
Q.多くの若いキャストの皆さんと一緒にやってみていかがでしたか?
三池監督:
嫉妬しましたね。いいな、モテるんだろうなって。(笑)
若い時にしか出来ないことがあるんだっていうのを彼らはもう知っていて、きっと後悔だけはしたくないっていう勢いがありました。自分が十年くらい前に監督なりたての時になかったもので、自分で自分の責任を持って自分を役者として生きて行くという、そういう人たちだったから『クローズZERO』が出来ていったと思います。
Q.撮影現場を振り返ってみて、何か印象に残ったことはありますか?
三池監督:
撮影は関西方面でやったんで、みんな寝泊まりが一緒で合宿みたいなノリでしたね。近所の焼き肉屋によく食べに行ったんですけど、役者達は“芹沢チーム”と“GPS”に分かれて食べてました。もし東京で撮ってたら、いちいちプライベートに戻って、朝来て役になりきらないといけない。おそらく違う作品になってたでしょうね。
高橋ヒロシ:
こんにちは。原作の高橋ヒロシです。
こういう場はあまり慣れていないので、その辺よろしく願いします(笑)
Q.「クローズ」は連載中から多数のオファーがあったとお聞きしましたが、今回映画が完成していかがですか?
高橋ヒロシ:
原作をそのまま作品にするのではなくて、一度壊して、まさしく“0(ゼロ)”にして、三池クローズを見せてほしいとお願いしたのですけど、本当にその通りになってカッコいい映画です。大事な元の「クローズ」の要素も残されていて完璧でした。
小栗旬:
ども。小栗です。
Q.今回の役作りの為に苦労された点などありますでしょうか?
小栗旬:
右と左のこめかみ辺りの毛をそったりしましたね(笑)
Q.それは小栗さんのアイデアだったのですか?
小栗旬:
もちろん監督と相談したりしながらですけど、ちょっとやってみようかということで。
Q.原作はもともと読まれてたのですか?
小栗旬:
はい。大好きでした。
Q.ご自分とリンクする箇所はありましたでしょうか?
小栗旬:
勝手な所とわがままな所ですね。演じやすかったです。
「クローズ」はむちゃくちゃ格好良くて、昔僕が憧れていたけど、なれなかったような高校生像を体験できたことは、緊張もありましたがすごく楽しかったです。
Q.結構激しいアクションシーンもありましたが練習は大変でしたか?
小栗旬:
そうですね。とにかくアクション監督の方についてもらって、パンチからはじまりキックとかの練習をしました。後はケンカなので、ギリギリで避けるとか逃げるとかそんな感じの練習でしたね。今回はカッコいいアクションではなくて、リアルなケンカをしてるように演じました。
痛いのは基本的に嫌いなのですが(笑)、アザとかできて毎日痛かったです。
監督が全然許してくれる監督ではないので(笑)、「小栗!!そんなんじゃダメだろう!!」って(笑)。ウソです(笑)
Q.撮影を振り返っていかがでしたか?
小栗旬:
撮影中の2ヶ月弱、久しぶりに体の奥から震えがくるというか、そんな毎日でした。
Q.完成された映画をご覧になっていかがでしたか?
小栗旬:
本当にいい映画が出来たなって思いますし、それぞれのキャラクターが凄く個々で生きていて良かったですね。こんなカッコいい山田孝之を初めて観たっていうか(笑)
やべきょうすけ:
みなさん初めまして。やべきょうすけです。
この世界に入って17年になるのですけど、このような華やかな舞台に立つのは初めてでして、ちょっと緊張しております。控え室で大分喋りすぎちゃいまして(笑)、喉の調子が悪くなっちゃいました(笑)。
Q.やべさんは、高橋さんいわく原作者より「クローズ」を愛していらっしゃるとお聞きしましたが、その「クローズ」のメインキャストに選ばれていかがでしたか?
やべきょうすけ:
感無量です。多くのファンを持つ原作ですし。撮影は素晴らしいスタッフとキャストの方々と出逢えたことが本当に嬉しく、2ヶ月間の撮影もあっという間でした。4月に撮影に入って、わずか半年で上映まで行けたというのもみなさんのお力があってのことだと嬉しく感謝の思いでいっぱいです。
Q.撮影現場でも映画同様、アニキ的存在で慕われていたとお聞きしましたが、撮影現場での覚えてらっしゃるエピソードとかありましたらお聞かせください。
やべきょうすけ:
その前に、いただいた今日の進行表に『やべさん、下ネタNG』と書いてあったんですけど(笑)、僕はとくに下ネタ好きでもないんですが、これはフリなのかなと(笑)。
大阪の撮影の時のですね、夜のヤツたちの様子をここで暴露するべきかどうかというのはあるのですが、僕が自爆してしまいそうなのでやめておきます(笑)
映画の中ではみなさん高校生役をやってますが、20歳こえている方々が多いので、撮影終わってから、ホテルの自動販売機でレモンサワーを一本ずつ買って、小栗君が“レモンサワーの会”というのを作りまして(笑)、夜な夜な誰かの部屋でその日の撮影を振り返ったり、次の日の撮影はこうしたいああしたいなどを話したりしました。これで良かったのだろうかとか、どういう風に伝わるんだろうかということを、本当にみんなで話をしてましたね。
山田君はあんまり参加してくれなくて、いつも携帯で電話してたので、その電話が気になったりしてたんですけど(笑)
撮影以外の所でも、敵対しているチームとはちょっと距離を置いたりしてましたね。
みんなが本当に作品のことを考えてやってきた2ヶ月間だなと思います。